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2023/05/09
良い天気となりました、まさに五月晴れです。
雪解けの早い今年、そろそろ「重太郎新道は通れますか?」との問い合わせが増えてくるころなので、巡視に出かけてきました。
まず、お断りしておきますが「夏山気分」で重太郎新道を通れるのは例年7月上旬、さらにその先吊尾根~奥穂高岳となると7月中旬となります。今年は雪が少ないとはいえ、6月下旬までは「通行可」とはいたしませんのでご承知おきください
こちらは小屋前からみたキャンプ場~重太郎新道方面です(奥明神沢も写っています)
まず、これを見て重太郎新道がどこか分かる人でないとこの先のチャレンジは無理です。
表向き「通行止め」ですし、やたらと目印などを付けて事情を理解しないハイカーや外国人が立ち入っても困るので、指導標や目印などは当面設置しません。
たまに、前穂へ向かおうとしているのか、深い思慮無しにあさっての方向へ登り、そのうちに進退窮まり→滑落というハイカーもいるので、当面は表向き「通行止め」としています。
さて、キャンプ場あたりはまだまだ雪ですが、重太郎新道の取り付き・通称「ジグザグ」はだいぶ雪が解けてきています。
ジグザグ上部から小屋を見下ろすとまだまだ急斜面には雪が残りますが、アイゼン・ピッケルが使える人ならさほど苦となる斜度でもありません。また、来週後半ともなれば、ここの雪はあらかた消えてなくなりそうです。
このジグザグを過ぎると「かもしかの立場」までは雪はありません。
例年、この時期は急斜面に雪田が残り、クリアするのに難儀するのですが、今年は拍子抜けするほど楽でした。
「かもしかの立場」までならそれほど雪の心配なく登れそうです。(雪が無いわけではない)
夏山に向けてのトレーニングで岳沢小屋までだとちょっと物足りないという方はぜひ、「かもしかの立場」まで足を延ばしてみてください。上高地から標高差1000mの登山を楽しめます。
問題はこの先。
例年、かもしかの立場の先には大きな雪渓の通過があります。
ここがなかなかの急斜面で、しかも登りベースなので、登りはなんとかなっても下りはけっこう足のすくむ急斜面で、確実なアイゼン・ピッケルワークができないと危険です。
自信の無いい方は「かもしかの立場」までにしておくのが賢明です。
この雪渓を通過すると2連ハシゴで、そこから岳沢パノラマまでも雪はありません。
ここまで上高地からの標高差は1200m、ピッケルが使える人ならいいトレーニングになると思います。
今回は時間的な制約もあるので、岳沢パノラマまで。
ただ、ここから先は随所に雪の急斜面が待ち構えます。
この先に進んで前穂高岳まで登りたいのなら、上の写真の右端に見える奥明神沢を登り詰めて、奥明神のコル~前穂南稜(岳沢槍ルート)で前穂に行くほうが楽だと思います。
以上、アイゼン・ピッケル使える人なら「岳沢パノラマ」までならどうぞ、という提案でした。
ここから眺める西穂~奥穂のギザギザはいつ見ても素敵ですね。
さて、西穂高沢~西穂高岳の方は下部の雪がだいぶ少なくなってきました。
でも、西穂高沢に入ってしまえば、まだまだ稜線までは快適な雪渓登りが楽しめそうです。