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2023/09/18
穏やかな天気となり、賑わう連休となりました。
朝は好天
昼は賑わい
テント場は盛況
事前のテント場混雑アナウンスと登山口での告知が奏功し、適度に満杯で済みました。
そんななか、やはり北アルプスでは遭難が多発。
この他にも岐阜県側でも死亡事故があったので、北アは昨日だけで9件の遭難があったことになり、そのうち3件は前穂高岳(涸沢側1件、岳沢側2件)で発生。
とにかく岳沢周辺では今シーズン遭難が多発しているので、連休期間中は毎日長野県警の隊員がパトロールにきてくれました。
そんななか、まず一件目が岳沢パノラマ下で発生。
ちょうど上高地から岳沢に向かっていた隊員がいたので、走って現場へ急行。
出血を伴う開放骨折の大怪我だったようですが、居合わせたスキー場のパトロールさんが応急処置をしてくれて、隊員が現場に到着した5分後には県警ヘリが飛来して、ピックアップ完了。
実にスムーズな救助となりました。
大怪我だっただけに早く病院に行けて良かった、良かった
その後、隊員は前穂方面へパトロール
そこでニュースで話題の6歳児
まあ、いろいろありましたが、この子が悪いわけではありません。
ご両親がショートロープで確保したり、安全策を考慮して前穂に挑めば良かったものの、無策で行ってしまったことは本人曰く「認識不足で皆さまにご迷惑をお掛けしました」と何度も謝罪し、母親も暗くなってから無事に小屋に着いたときは涙ながらに反省の念を述べられていました。
幸いだったのは、両親だけで無理に下ろそうとしなかったこと、たまたま県警の隊員が居合わせたおかげで安全に下ろすことができたこと。もし、彼らがいなかったら、下山もままならない、あるいはもっと悲惨な事態になっていたかもと思うと、「良かったな」と思える事案でした。
翌朝、前穂には登頂できたので記念のバッヂを買って記念撮影。
「下りはちょっとズルしちゃったけどな(笑)」と言う隊員に、何度も何度も御礼とお詫びを言いながら3人は下山していきました。
隊員は今日も補導活動+レスキュースタンバイで岳沢小屋待機
そんななか、登山者から滑落して怪我をしている親子がいるとの通報。
隊員二人は出動を念頭に待機を続けましたが、そんななかその親子が小屋まで下山して、事故報告。
お父さんはおそらく肋骨骨折、中学生の娘さんは顔と手を負傷。
それでも、自分たちで手当てを行い、なんとか歩けるからと上高地までゆっくり下山。
最近、たいした怪我でもなければ、ちょっと疲れただけで救助要請が相次ぐ事態に辟易していただろう隊員は「あのお父さんはツワモノだ」と感動していたそうな…
昔はそれが当たり前だったんですけどね、足を怪我してなくて歩けるなら自分で下山。そんな登山者の意地が風化しそうな最近の風潮しか知らない若い隊員にはリアルで見た骨のある怪我人に感動したのかもしれませんね。
連休初日には近くの赤岩岳で14日(木)に滑落して亡くなったものの、悪天候のために現場に残置されていた遭難者の遺体が、天候回復してヘリで収容されるなど、賑やかな連休の裏でそんなバタバタが相次いでいた岳沢小屋でした。
ひとつオマケで、GWに全国ニュースでも話題となった奥明神沢での2名死亡・1名重傷の遭難事故で、奇跡的に一命を取りとめた方が、御礼ということで岳沢小屋を訪問いただきました。
まだ肋骨はボロボロ、傷ついた肺も回復途上で水が溜まり息苦しいものの、リハビリということでハイキング程度は始めているそうです。
あの時は本当に痛そうで気の毒でしたが、無事に復帰されて良かったです。
当時、撮ったヘリに収容される写真をAir dropで差し上げました。
そんな、メルヘンチックなブランコとかわいいオコジョ、カレーバイキングにブラックキーマカレー…と痛々しい遭難事故とが隣り合わせで存在するのが岳沢小屋です。