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重太郎新道の残雪状況

雪解けが進んだので、重太郎新道の残雪状況の確認に行ってきました
先に結論を書けば、まだまだアイゼン・ピッケル大活躍、でもアイゼンを履いたり脱いだりも面倒くさい。だったら、まだ使える奥明神沢の雪渓を登って、コルから岳沢槍経由で前穂まで行くほうが楽かもしれないですね(このコースは上級者向きです)

さて、岳沢小屋を出て最初の雪渓がテント場付近の雪渓
ここからどうやって重太郎新道へ取り付くかがけっこう難しい(夏の経験がないと分かりにく)
なお、ハイキングのつもりで来た人がなんとなく「前穂にでも…」と先に進むのを防ぐために、目印や指導標などは設置していません。
また、特に外国人が軽い気持ちで前穂に行きたがるので、「Trail closed because too much snow. Course open July 」と案内しています
先日の槍ヶ岳での外国人の死亡事故しかり、軽装かつ安易な気分でこの時期の槍穂の稜線に向かおうとする外国人は後を絶たず、そんな装備や気分で前穂や奥穂に向かうと本当にで死んでしまうので、ここでは厳に「通行できない」というスタンスを示しています

さて、テント場の雪渓を過ぎるとしばらくは雪はありません。
次に雪渓が現れるのはかもしかの立場の先。
ここは例年雪が遅くまで残るところですが、今年は雪が少ないのであと10日もすればなくなりそうです。

続いて、岳沢パノラマの先
ここも長い雪渓が残ります。
傾斜も強く、滑落=死ですので、装備だけでなく、雪上技術も要求されます

今年は下部で雪が例年より少なく、上部で雪が例年より多い傾向があり、このあたりから例年より多いようになってきます

4ヶ所目の雪渓は雷鳥広場の先、短い鉄ハシゴのコル。
ここは例年、鉄ハシゴが見えているのですが、今年は完全に雪に埋まっています。
短い雪渓ですが、足を滑らすとひとたまりもない場所です、気を付けて通過してください

この先はところどころ小さな雪渓が残りますが、避けて通れるのでアイゼンは外した方が歩きやすいでしょう。ただ、雪渓を避けて上り下りするのにはルートの先を読む必要があるので、ご注意ください

前穂山頂からはいつもの通りの絶景です

涸沢側はまだまだ真っ白ですね

さて、紀美子平から吊尾根へ向かうトラバース区間はまだまだ残雪がたっぷり残ります
ここはかなりシビアな区間が続きますので、アイゼン・ピッケルがあるからと言って、安易に踏み込むのはやめたほうがいいでしょう。
ここの雪が無くなり、通行できるようになるのは7月10日頃となります。
それまでは前穂往復くらいはできても、奥穂方面に進むのは厳しいとお考え下さい

里は30℃近い初夏の陽気が続いているでしょうが、槍穂の稜線はまだまだ残雪シーズンです。どうぞ心してお出かけください。なお、岳沢小屋までは残雪も残りわずかとなり、歩行にはほとんど支障はありません。夏山シーズンに向けてのトレーニングには最適ですので、岳沢小屋までであればドシドシお越しください