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前穂までペンキ印の塗り直し+残雪状況

だいぶ雪解けが進んだので、重太郎新道の残雪状況の確認を兼ねて前穂高岳までペンキ印の塗り直しに出かけてきました

まず、残雪状況ですが、テント場付近にはまだ残雪が多く残っています
約50mほどは雪の上を登ります。危険はありませんが、雪に慣れてないと登りにくい斜面です
そこから先はしばらく雪はありませんが、雷鳥広場~紀美子平間にはこの残雪箇所があります(↑)
これは人の感覚次第ですが、ここまで来て、この通過を「怖い!」と感じたら引き返すのが賢明でしょう。仮にここで滑ったら、死は確実です💀
重太郎新道で雪が残っているのはここだけです。

一方、紀美子平から吊尾根~奥穂方面はまだ危険な雪渓の通過が連続します。
ここは本当に危ないのでしばらくは通行を控えて頂きたいのが本音です
「アイゼンとピッケルあれば通れますか?」と聞かれたらなんて答えたらいいのかが分かりません。それらの装備があっても技術が無ければ…
まあ、冬に西穂に登るくらいの技量があれば大丈夫でしょう
冬に唐松岳とか八ヶ岳の硫黄岳・天狗岳くらいの技量ではここは難しいと思います

さて、今日の本題はペンキ印の塗り直しです。
紀美子平~前穂高山頂間は風雪に依る風化でペンキ印の劣化も著しく、特に前穂山頂直下は2020年の群発地震の落石と浮石でルートが分かり辛く、逆に言うとどこも荒れていて、どこを歩いても同じなので、ついついルートを外れがち…

そうすると落石を起こして他の登山者に当たってしまう恐れがあるので、ここだけはしっかり付けておきたいと思います。どうぞ、ルートを外さないように歩いてください

それ以外の箇所は
あまりベタベタと印を付け過ぎるのも品が無いし、かと言って足りないのも困る…
こうした印付けの作業はいつもその葛藤と闘っております(笑)
今回も必要な部分は塗り直し、無くてもいいような印は塗り直さずに「そのまま風化してもいいか」くらいのつもりで作業してきました

岳沢側の斜面は雪解けが進んでいますが、北斜面にあたる涸沢側はまだまだ残雪たっぷりです
下界は真夏日が続き、すっかり夏気分かもしれませんが、槍穂稜線はまだあと一ヶ月は残雪シーズンが続きます、どうぞお気をつけてお出かけください