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2024/06/17
Instagramに「天狗沢の残雪状況は…?」と書き込みがあったので、槍からの移籍スタッフ・キクチの研修も兼ねて、ジャンダルムまで行ってみました。
まず、初めにこの岳沢~天狗沢~ジャンダルム~奥穂高岳のルートは上級者向き(超を付けてもいいくらい)です。ところが昨今はSNSの影響か、ジャンダルムって名前が映えるのか、形が映えるのか知りませんが、やけにこのルートを行く人が増えている。もちろん、それなりの人が行くのは何の問題も無いし、逆に面白いルートですから、行ける人はどんどん楽しんでもらいたいと思っている。
とは言うものの最近はやたらSNSだか、映えだかに躍ろされて「穂高岳初めてです!」なんて人も多いのが困り事です。
ここは、奥穂も行った、前穂も行った、北穂も西穂も行った、大キレットも通過した…、そんな段階をきちんと踏んで、穂高連峰の総仕上げとして挑戦するところです。
初めての穂高が天狗沢~ジャンダルム(あるいは西穂~奥穂)なんて飛び級も甚だしい
去年もとんでもない初心者がここを目指したものの、小屋からわずか進んだところでルートを見失い、そのままあさっての方向へドンドンと登り、ついには身動きできなくなって救助要請なんてお粗末もお粗末過ぎる事件(事故ではない)もあったりしましたし、それ以外にも遭難の多発した天狗沢です。
くれぐれも軽い気持ちで挑まないよう、心して計画されるようお願いいたします
さて、現在の天狗沢は上半分の標高差400m分はしっかりと急傾斜の雪渓となります。
今年も7月末頃まではアイゼン・ピッケル必携となります。海の日連休に西穂~奥穂の縦走をご計画の方はエスケープルートととして天狗沢を考慮するなら必ず、それらの装備をお持ちください。
また状況については7月中旬くらいから随時お伝えいたします。
天狗のコルから先はいつもの岩稜帯です。また整備も行き届かない、目印もハッキリしないところなので、ルートファインディングの技術も要求されます。このルートが初見のキクチに前を歩かせましたが、やはり随所でルートを見失います。そういう意味でもここは経験者と歩いてもらいたいところだと思います。
厳しいことを色々書きますが、一度このルート(西穂~奥穂)を歩くと、もう他の山では満足できない中毒性があるのも事実、年に一回はここを歩かないと気が済まないという人もきっと多いことでしょう。どうぞ、今年も楽しい夏山シーズンとなることを願っています。
今日の目的はジャンダルム(3163m)まででしたが、私はその少し先のロバの耳から見る屹立したジャンダルムが好きなので、そっちまで足を延ばしました。
キクチ君、めでたく初ジャンです