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今週の岳沢いろいろ

土曜日の朝、いつもの週末の朝の賑わいとなりました

お天気もまずまずで、小屋から10分の天狗沢のお花畑も見頃となり、大勢の方に足を運んでいただいております

23日火曜日には兵庫県の甲陽学院中学校2年生の夏の合宿で
200名もの中学生が修学旅行で遊びに来てくれました
元気で楽しそうで、天気も良くてなによりでした

皆さん気になるクマの件ですが
25日(木)にはテント場に設置したセンサーカメラで姿が捉えられ、同じ日に複数の目撃情報も相次いだことから具体的な対策が進められ、テント場の閉鎖解除に向けて動いております

さて、岳沢の事案ではありませんが、高齢者の疲労による救助要請が相次いでいるようです。
転倒や滑落によるケガなどの発生は登山者が増えれば一定数は発生することで、ある面は「仕方がない」ことなのかもしれませんが、疲労による救助要請はどう考えてもいただけません。
上記、2件の事案はいずれも槍沢ロッヂや冷池山荘まで至近の距離だし、それを自力で歩けないなんてどういうことなんでしょうね
高齢者の登山をひとまとめにして否定するつもりはありませんが、目指す山に見合った体力を備えたうえで山に挑むのは最低限のことかと思います。
ここ岳沢も重太郎新道・吊尾根・奥穂高岳とハードなコースが続くので、心配になるような登山者の姿も見受けられますが、アドバイスすれば聞き入れてくれる方、反論される方いろいろで、なかなか難しい課題ですね。気を付けて登山を楽しんでもらいたいところです

一方、夏山シーズンも真っただ中で、岳沢起点のバリエーションルートに向かうクライマーの姿も増えています
岳沢起点のクラシックバリエーションと言えば、奥穂南稜
その取り付きへの雪渓の状態はよく問い合わせを受けますが、今日はこんな感じです。
例年より雪解けが早く、だいぶ雪渓が縮小していますが、現在のところは小屋から15分ほどの場所からいい感じに雪渓がつながっています
早朝は硬く凍り、上部は急傾斜なのでアイゼンは必携です
状況によっては最後の部分でピッケルが欲しくなる場面があるかもしれないのでピッケルもお忘れなく

コブ尾根(コブ沢)の雪渓は早くも夏の終わりのような状況です
先日はコブ尾根目指したグループがここで撤退してきたようです

現在、取扱いに苦慮している天狗沢上部~天狗のコルについては
「通行困難(廃道に近い状態)」と定義させていただきました
バリエーションルートとして登られる方についてはぜひ楽しんでいただきたいと思いますが、経験不足にもかかわらず、他人のSNSやヤマレコ・ヤマップなどの情報だけで行けると思っている方は踏みとどまって欲しいと思います。
例えて言うなら、北鎌尾根に行けるような人が、コンパクトに楽しめる山域だとお考え下さい

また、岳沢からの提案を受け、西穂山荘の粟沢さんも、様子を見に来ていただけました
曰く、「エスケープルートとしては使えないね」とのことでした
少なくとも西穂奥穂の縦走を完遂できないで途中断念するような人には下りられる道ではなく、悪天時(濃霧・大雨)などの場合さらに条件が悪くなればやはり下降は困難になることでしょう。
そういう意味で、天候・体調・体力・技量に不安がある場合、天狗のコルからのエスケープルートの利用を前提として挑むのは止めて、計画の見直しをお願いしたいと思います

今日はいろいろと話題詰め込みで失礼いたしました