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BLOG岳沢小屋のスタッフブログ

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奥穂高岳

お盆休みも終わり、夏山の賑わいも平日はひと段落となり、久しぶりにロング休憩をいただき奥穂高岳まで行ってきました

前穂までは今シーズンも何度か行ってますが、紀美子平から先は今期初です
岳沢小屋から紀美子平までで、すでに重太郎新道の急登を標高差750m
ここからは長い吊尾根歩きと、最後に標高差300mの登りが待ち受けます

この辺りからは岳沢側の大岩壁を従えて、奥穂高岳のデッカさが実感できる道となります
久しぶりに重太郎新道~吊尾根と歩くと、このルートの大変さを感じました
皆さん、たくさんの人がここを登って、偉いなあと思います
とはいえ、やはり後期高齢者にはなかなか辛い道かと思います、けっして楽ではないルートです、ご自身の体力と相談しながらルート選びをしてください。

山頂いえーい!
狙い通り、最高の登山日和です
そして、早くも稜線では草紅葉が始まりつつあります。
山の夏はあっという間に過ぎ去っていきますね

さて、今日はここからジャンダルム方面へ
ここまでのルートもなかなかに大変でしたが、やはりここから先は違います
いわゆる一般登山道の3倍の慎重さを要求されるルートだと思いました。
奥穂~ジャンダルム往復をされる人も多いかと思いますが、実感として重太郎新道や吊尾根・ザイテングラード・大キレットなどの岩稜ルートをスタスタと歩いて、コースタイムの0.6~0.7掛けで歩くくらいの体力と岩稜への慣れがないと、この先は厳しい=楽しめないと感じました
いまから15年前、初めて馬の背を下った時は「こんなところがルートのわけが無い、きっとどこかで間違ったんだ」と一度は引き返したものの「やっぱりこんなところがルートなのか…」と怖々と馬の背を下りた頃が懐かしいです

馬の背を過ぎると、ロバの耳とジャンダルムの大岩壁が待ち受けます
今のところ、今年の夏山シーズンはこのジャンダルム周辺での事故は起きていません
去年はこの辺で次から次へと人が落ち、死んでいっていました
SNSで「映える」からと軽いノリでジャンダルムへ行く人が多かったせいかもしれませんが、今年はそういうノリの人が減ったんですかね?
岳沢から天狗沢~ジャンダルムへと向かう登山者も昨年と比べるとずいぶんと少ない気がしますし、天狗沢での事故も起きていないところを見ると、7月に「廃道並みに通行困難」と謳った効果があったのでしょうか。
もちろん、私も大好きな散歩ルートなので、登れる実力がある人にはぜひ楽しんでもらいたいところですが、そうではない、軽いノリで突き進む実力不十分は「チャレンジャーズ」には歯止めが効いているようで、遭難事故防止にご協力いただき、ありがたいことございます

引き続き、夏の後半、そして秋山シーズンもどうぞご安全に穂高の登山をお楽しみください