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道迷い遭難

先日、今年は天狗沢の道迷い遭難が発生していないとブログで喜んで記述した矢先のことですが、さっそく発生してしまいました(悲)
詳しくはこちらの放送局の報道の通りです

最初、午後2時頃に道に迷ったと本人から電話があったのですが、こちらも昨日はヘリの荷上げ・荷捌きからの夕食準備で忙しく、しっかりアドバイスできなかったのですが、道に迷っている当人というのは自分がどこにいるか分からない=何を言っているのかこっちはもっと分からない、のが常で、とにかく「きちんとしたルートを確認できるところまで戻れ」としか言えないものです
結局この人は「いつか道が出てくるだろう」と間違ったところをドンドンと下り、結局は午後5時半頃にもう動けないと電話をしてきて、自力下山不可→救助要請=遭難となったのでした
警察から出動要請が来たものの、こっちも宿泊者の夕食の絶賛対応中だし、この時間からの日没までの小屋への収容も無理だし、怪我がないならビバーグが適当な対応だろうというところですが、当人はビバーグ装備も持っていないということで、夕食出しがひと段落したところで、必要装備や食料・飲料を持って現場へ向かい、そして今朝、県警の隊員が松本を5時発で岳沢小屋に合流し、現場へ案内、そこから小屋まで2時間かけて介添して到着した次第です。

高齢者の登山者をまとめて批難するつもりは毛頭ありませんが、結果としてこういう事態になってしまうと何を言われても仕方がないというか…
今年は本当に70代の登山者の疲労による行動不能→救助要請という流れがあまりにも多すぎます
長野県警も「登りたい山と登れる山」の自己の見極めを何度も呼び掛けております

この3名のうち、2人は今日は非番だったそうですが、急遽招集
「休みなのに予定は無かったの?」というと、「予定なんてあってないようなものです」と警察官の鏡のような答え

山は自分の力で登って、自分の力で下りるもの
それができないということはどれだけ多くの人間の労力を必要とし、その個々人へ手間と迷惑をかけるのか。
「山岳保険に入っているからいい」、そんな問題ではありません(この方がそんなことを言ったわけではありません)

岳沢小屋にも明らかなオーバースペックの登山を試み、穂高岳山荘から岳沢小屋まで10時間以上もかかって遅くに到着する登山者が多数います
高齢者をまとめて批難するわけではありませんが、今一度、「登りたい山と登れる山」が今の自分の体力と合致しているのか再確認をお願いしたいところです

あと、道に迷ったのなら引き返せ、これも鉄則です

これらはヤフーニュースに載せられてた一般の方々のコメントです
決して私の意見ではありませんが、まさにこういうことですよね