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2020/07/19
雲や霧の広がる時間もあるものの、久しぶりに終日安定したお天気となりました。せっかくの好天&日曜日ですが、昨日も今日も南岳に登山者の姿はありません。
そんななか、問い合わせが多いものの、まだ確認に行けていなかった大キレットの様子を見に行ってきました。
※行き~帰りの飛騨泣きあたりまではガスガスだったので、北穂山頂からの景色はなく、写真は帰りに撮ったものです。
まず地震の影響は大キレットにおいてはほぼありません。
一ヶ所だけ、長谷川ピークの北穂寄りの鎖場で、地震か雨の影響か分かりませんが、岩が抜け落ちていますが、これでかえって歩きやすくなりました。とはいえ、鎖が宙ぶらりんの状態なので、これは近日中に北穂高小屋のほうで対応していただけるそうです。
この他は長谷川ピークも、
飛騨泣きもいつもと変わらず、屹立した岩壁が登山者を迎えてくれています。
ホント、これだけの岩場が続く登山道は西穂~奥穂の次に登山者を楽しませてくれるところだと思います。今年はコロナとか地震、大雨でなかなか槍穂高が遠いですが、ぜひとも好天を狙ってお出かけください(但し、長野県警からコロナの影響で救助活動が円滑に行われない恐れがあるので、自身の技量よりワンランク落とした安全確実に楽しめる山を登るようお願いが出ております)
なお、例年のことではありますが、北穂の直下100mほどのところは雨(流水)により斜面がかなり荒れています。落石を落とさない、落とされないよう十分にご注意ください。
さて、昨日(土曜日)には槍平小屋まで、南岳新道の状況も確認に行きました。
まず初めに、南岳新道は「中級者以上向け」のルートです。槍穂高の稜線に登り詰めるルートとしては「白出沢」・「重太郎新道」に次ぐハードルートです。初めて槍ヶ岳に登るというような人にはおすすめできません。登山口(新穂高温泉)から南岳へ至る最短ルートではありますが、最短=キツイということを十分承知のうえご利用ください。また、メインルートでは無いゆえ、道もやや荒れ気味となっています。
さて、気になっていた地震の影響はこちらもありませんでした。
※新穂高~槍平間の滝谷出合の少し下は地震の影響で巨大な落石が多数散乱しています、ご注意ください。
注意点と言えば、これも例年のことですが、槍平小屋から少し登って「南沢」を横切る箇所はルートが分かり辛くなっています。まだ目印などは整備されていませんが、対岸の横断箇所を確実に視認しながら登ってください。(間違って沢をずっと登り詰めて、進退窮まる遭難事例が時々起こっています)
今年は大雨が続き、ルートの下部と上部にある2ヶ所の雪渓はほぼ雪がありません。現時点ですでにアイゼンなどの滑り止めは不要です。
木の階段やハシゴの老朽化でかなり歩き辛い箇所が散見されていましたが、去年・おととしと行政(高山市)からの予算をいただき、少しづつ改善はされております。
また樹林帯上部(標高2300~2500m)付近ではしばらく手を付けず木の枝の繁茂のため枝が張り出して歩くにくかったので、そこは気合を入れてガッツリと枝払いをしてきたので、その点での歩き辛さも解消されたかと思います。
前半(下半分)のキツイ登りを補って余りある後半(上半分)の森林限界を超えた好展望を期待しながら登ってください。