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槍ヶ岳、冬ですよ~☆【登山道情報】

みなさん、こんにちは。
数日前より、標高3080mでは冬を迎えております。
槍ヶ岳山荘です。

さて、本日は、昨日槍沢ルートより休暇明けで山荘に戻って参りましたので
登山道情報をお届けします。

その前に、、、最初にお伝えします。
槍ヶ岳界隈、
「冬」
です。
上高地から槍沢の上部にある天狗の分岐付近までは、
現在(10月6日)は、まだ紅葉を楽しめるルートとなっておりますが、
そこから上は表情を変えておりますので
写真とともにぜひご覧ください。

【槍沢ロッジ〜天狗原の分岐】
槍沢ロッジでは、暖かい陽射しを受けながら、
日向ぼっこをしたいなぁーと思いつつ、ブランコを横目に出発します。

ババ平まで来ると、透き通るような空と暖かい陽射しに
後ろから背中を押されるような好天に辺りを包まれております。
ですが、前方をよーくみると、
紅葉の後ろの稜線にはモノクロの世界がじりじりと迫りくるのが分かります。

ババ平を過ぎ、水俣乗越・大曲がりを過ぎると、
真正面に通称「丸山」と呼ばれている丘が見えてきます。
つい1週間前の下山の際には辺り一面が紅葉に包まれていた丸山ですが、
昨日は雪に囲まれ、何やらハートのような形にもみえる幻想的な景色が広がっておりました。
後ろを振り返ると青空を据える西岳がよく見えましたが、
上の方の強風からの影響で飛来しているのか、この辺りから雪もパラつきはじめます。

いよいよ、天狗原の分岐に到着です。

ここまでは、現在の積雪状況ですと、登山道の雪はうっすらでしたので、
紅葉と雪のコラボレーションした景色をみる登山にはうってつけかなと思います。
ですが!
ここから先は、冬山装備を整えたうえで、
雪山を登る知識と技術、判断力が必要とされてきますので、
自信や雪山経験の無い方は無理をせずここで引き返すことをおすすめします。

【天狗原の分岐~槍ヶ岳山荘】

ナナカマドと雪の季節のじゃれ合いを横目に、
積雪の上にヒラヒラと舞い降りた紅葉の落ち葉を眺めながら登ります。
落ち葉が落ちた形そのままで雪に形がついてるところからもフワフワの新雪が降り積もったのだなぁと分かります。
最後の水場の水沢は流れておりますが、辺り一面、雪に覆われています。

グリーンバンド手前の枯沢では雪道をトラバースしていきます。
手前の夏道が見えておりますので、
そのまま真っ直ぐ道なりに進んでいけば良いのですが、
状況によっては道が分かりづらいですし、斜面は急ですのでお気をつけて。

さてさて、グリーンバンドへ到着。
すでに、グリーンバンドではなく、ホワイトバンドに変身完了しておりました。
この辺りから、風向きによっては強風が吹き荒れますし、
視界が悪ければ道はかなり分かりづらくなりますのでご注意を。
昨日のブログの追記写真にも挙げておりますが、一部吹き溜まりは10-20㎝となっており、
殺生分岐のすぐ下のトレースも分かりづらくなっておりました。

殺生分岐から上部は山荘までのカウントダウンとともにお伝えします。
残り400mは埋まりかけておりました。
その後、300mは撮り忘れましたが数字は顔が出ています。
200mのところは雪で覆われており分からない状況でした。
この残り400mから200mの区間には、数箇所吹き溜まりがあります。
深いところで膝までの積雪があります。
昨日のように風も強い日ですと、前の歩いた方のトレースも無くなりやすいようなところです。

夏道を思い出しながら、ペンキの印を探しながら慎重に足取りを進めてください。

ようやく山荘に到着です。
いかがでしたでしょうか?
今一度、ご自身の装備と登山技術の再確認をお願いします。
チェーンスパイクや軽アイゼンだけでなく、
レインウェア(ハードシェル)、手袋、バラクラバ、帽子、サングラス(ゴーグル)、、、
肌を外に出さない装備が必要な時期ですね。
 風も強いと、風速1mごとに体感気温も1℃下がると言われております。
今のご自身の装備、-10℃前後の山でも歩ける装備でしょうか?

 と、強めにお伝えさせていただきましたが、
準備をしっかりとした上で登った身としては、
秋から冬への大自然の変化をどっぷりと堪能することができ、
今シーズン最後を締めくくる休暇明け入山として感慨深いものを感じました。

可愛い樹氷もたくさんありましたし、
垣間見える神々しい太陽は雪景色をさらに光らせるとても感動する素敵な景色もありました。

準備を万全に、どうぞ皆様も登山をお楽しみください☆

今なら、山荘前にかわいいスノーマンかまくらもありますよ!
以上、槍ヶ岳山荘でした。