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登山道整備の様子

こんにちは、槍沢ロッヂの新人Sです。

6月8日に男性スタッフ2名に連れられ、登山道の整備に行って参りました。

槍ヶ岳へ登ること自体この春が初めてだった私は、ババ平~大曲までの夏道を歩くのもこの日が初めてでした。
これまでは雪で覆われた川の真上を歩いていたため、夏道が思った以上に斜面の上にあることに驚きました。

さてさっそく本題ですが、下記の写真・情報は全てババ平~大曲までの道に関するものです。


ババ平から大曲へ向かう途中に小さな雪渓を横切る箇所があります。
まずはそこを”雪切り”をして歩きやすいよう整備しました。整備前と後の画像から階段状に雪が切られているのがわかるでしょうか。

固く締まった雪を男性スタッフがザクザクと切っていきます。

続いて、斜面側にある落石や崩落に繋がりそうな岩をあらかじめ落とす作業を行いました。

人の上半身ほどはありそうな岩を落としましたが、これが自然発生の落石で人に当たればひとたまりもありません。
もちろん、登山道前後に人がいないことを確認してから作業に当たりました。

さて今度は川の流れを誘導する作業です。
降雨時にできる川の水が登山道に侵入するのを防ぐために、小さい石から大きな岩まで退かしたり積み上げたりして川の流れる方向を誘導します。

少しわかりにくいですが、上から流れる水がまっすぐ下に向かうようにゴロゴロとした石たちが無くし、奥に見える大きな岩の手前に中くらいの岩を積み上げました。
また、奥に見える大きな岩の手前に中くらいの岩を積み上げることで登山道への水の侵入を防ぎます。

私の出番はないのかと思っていましたが、小さな石たちをポイポイ下に落とす作業を手伝いました。笑

最後に、大曲少し上に出ている夏道の邪魔をしていた大きな岩を除去しました。
ちなみにこの作業も”人力”です。

大人の男性二人がかりで足を使って動かします。これはもう自然のレッグプレスマシンです。
女性の私はさすがに力及ばないので後ろで応援していました。

といった具合に、午前中いっぱい使って夏道の整備を致しました。
予想していたより天気が良く、青空の下で作業が行えてよかったです。

今後ますます雪解けが進むと、これまで斜面に対して支えとなっていた雪が無くなり崩落に繋がることもありますので、足元には十分お気を付けください。 

以上、登山道整備の様子でした。

ここからは余談ですが、先日窓にサカハチクロナミシャク(Rheumaptera hecate hecate)という蛾がとまっていました。

蝶は昼行性、蛾は夜行性のイメージや、蝶は綺麗で蛾は汚いなんて印象から違いが明確に存在しそうですが、この2つの生き物は実は両方とも鱗翅目(レピドプテラ)という同じグループに属する生き物で、明確な違いは定義されていません。
鱗翅目の実に8割が蛾なので、見た目が蝶のように美しい蛾も沢山いるそうです。そのため見た目や活動時間などで蝶と蛾の区別を学術的に定義することは難しいのだそう。

このサカハチクロナミシャクも昼間に飛んでいて見た目もちょっと地味な蝶みたいでした。

生物好きスタッフによる余談でした。

では。