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2021/05/31
大正11年に喜作新道(今で言う表銀座)、昭和2年に釜トンネルが開通するまで、信州側から槍ヶ岳に登るには徳本峠を越えて明神~槍沢経由、あるいは中房温泉~燕岳~大天井岳~二ノ俣尾根~中山乗越~槍沢という長い道のりか、最短ルートとも言える穂高町(現・安曇野市穂高牧)から一ノ沢~常念乗越~中山乗越~槍沢が主なルートでした。
道は険しいが距離の短い中山乗越ルート…
槍ヶ岳山荘・槍沢ロッヂの創業者・穂苅三寿雄も24歳の時、初の槍ヶ岳登山では中房温泉~燕岳~大天井岳~二ノ俣尾根~中山乗越~槍沢のルートで登ったそうで、その時に山小屋の必要性を痛感して山小屋を建てるきっかけになったのでしょう。
すでにこのルートは廃道となっていますが、槍沢ロッヂにとっては関わりの深い道。4年目以上のシニアスタッフの研修で古道探訪に出かけてきました。
槍沢の二ノ俣橋から二ノ俣谷に入り、古い道型が残っている区間もあれば、こんな沢のギリギリを”へつる”場面も多数あり。
このルート、今でも年に1~2組くらいは通る人もいるようで、廃道マニアにはうってつけなルートだと思います。まあ、言うまでもなく先を読んだルートファインディングと読図それに体力はかなり必要なルートです。
1時間半ほど渓谷沿いを登ると広い平坦地に出ます。
この場所、昔昔は「二ノ俣の池」というのがあって枯れ木が立ち並び幽邃な雰囲気を誇る風光明媚な場所だったそうですが、今は土砂に埋められてしまい、明るい瀬の続く絶好の休憩ポイントになっています。
ここで瀬を渡り、中山乗越への登りにかかります。
ここから先は道型が残っていたり、残っていなかったり…
地形図あるいはGPSを頼りに乗越を目指してください。
中山乗越からは一ノ俣谷へ下り、常念小屋を目指すか、二ノ俣尾根を登り大天井岳へ向かうのが当時の登山ルートですが、我々は今回は田渕行男先生も「槍穂高の大展望台!!」と絶賛された中山山頂へ向かいます。
最後はまだ雪の残るルートとなりますが、真横には常念岳が大きく聳える一般登山道では見ることのできない景観が広がります。
さて、山頂からは言うまでもなく槍ヶ岳の大展望
標高差800mほどのコンパクトな山ではありますが、他の槍穂高のバリエーションルート(北鎌尾根や前穂北尾根、横尾本谷など)と比べて、危険度は低いかもしれませんが、難易度は高いと思います。腕と足に覚えのある方、槍穂には通い慣れて、また別の角度で眺めたいなんていう変わり者の方はぜひチャレンジしてみてください。