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2021/06/10
槍沢ロッヂ周辺は新緑の美しい季節となってきました。
ここしばらくは沢の水量も落ち着いているので、小屋前の沢まで下りると涼風が心地よく吹いています。
ここ数日はお天気も良く、登山者の姿も5月中頃の雨続きだった頃よりも多くなっています。貴重な梅雨入り前のベストシーズンと言えるでしょう。
槍沢ロッヂからババ平の間の登山道沿いではムラサキヤシオがそこかしこに咲き誇り、
新緑のラインはババ平あたりまで上がってきました。
ただ、そんな春の様相も大曲りまで。
そこから上はまだまだ残雪豊富な雪山エリアです。
最近は里が30℃越えの猛暑日続きのせいか、「まだアイゼンは要りますか?」という電話での問い合わせも多く、里と槍穂高の季節感の違いが大きく感じる季節です。この時期の残雪は表面の柔らかい雪が解け去り、深い積雪の重みを受けて硬く締まった雪だけが残っているので、朝方は特にガチガチに凍っているので注意が必要です(槍ヶ岳山荘に泊まって、朝の早い時間に下山する場合など)
また7月初旬の予約もパラパラと入り始めていますが、例年7月中旬頃までの槍沢上部はアイゼンが必要な状態が続きます。
こちらはある年の7月8日の槍沢全景の様子です。
画面右手にはジグザグに夏道が出てきていますが、画面中央のグリーンバンド~殺生ヒュッテ下まではまだまだ雪上のルートとなります。
年によって雪の解け具合は変わってきますが、山小屋サイドもその頃になると頻繁に残雪の状況はお伝えしますので、お出かけを計画の方は最新の情報を必ずチェックしてください。
あとは7月に入ると梅雨の末期の豪雨の季節でもあります。
昨年も大雨で上高地までの道路や登山道が大きな被害を受けました。
そんな大雨になる可能性もありますので、梅雨明け(例年は7月25日前後)までは気象情報にもご注意ください。
例年、7月末になれば梅雨も明け、天候が安定し、残雪もほぼ無くなり、安心して楽しめる夏山シーズンの到来となります。