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2021/08/10
昨日・今日(9・10日)は台風9号から変わった低気圧の影響で大荒れの天気となっています。
槍ヶ岳周辺では7月下旬のオリンピック開会式連休を中心に5件のヘリコプター出動を含め多くの遭難事故が発生しました。そのうち一件は道迷いに起因する滑落死亡事故です。
そして昨日、また同じように道迷いに起因する遭難(救助要請)が発生しました。
両件とも大曲りから水俣乗越(東鎌尾根方面)へ向かう途中での道迷いです。
確かに少し分かりにくい道で注意が必要な登山道ではありますが、多くの方々が利用する登山道です。(中級者以上向けのルートです)
そこで一ヶ月の間に2件もの道迷い遭難が発生してしまいました。もしかしたら、もっと多くの人が道を間違っていたのかもしれませんが、その多くは「おかしい…」と思った時点で引き返したのでしょう。
残念ながら遭難された2組の方は「おかしい…」とは思いつつも、そのまま登り続けてしまったのでしょう。そして最後は岩壁に阻まれ、一人はそのまま岩壁を登ろうとして滑落し死亡、一組は岩壁に阻まれた時点で警察へ救助要請をしたという次第です。(一晩ビバークののち、翌日の昼に救助隊が合流し徒歩下山)
今回の遭難では110番通報の際の携帯電話の位置情報により、遭難者のいる場所が特定されましたが、我々や救助隊にしてみれば、「なんでそんなところに…」というような場所です。少なくとも「おかしい…」と思いながら登り続けていたであろうし、「おかしい…」と思った時点で引き返していれば防げた事故です。
今回の遭難に関しては民間救助隊(遭対協隊員)と警察官の計6名が、この台風崩れの暴風雨の中で出動しています。
遭難事故にも不可抗力や不可避な事故もありますが、この2件の道迷い遭難に関しては「おかしい…」と思った時点で引き返していれば防げた事故です。
「道に迷ったら、来た道を引き返す」、これは登山の鉄則です。
それを守っていれば痛い目や辛い目に遭わず、家族や仲間を悲しませることはなかったはずです。
皆さんにおかれては、今一度この鉄則を頭に入れておいていただければと思います。